TYPE 8405 DUALITY SHORTS

本製品「TYPE 8405 DUALITY SHORTS」は、半世紀以上の歴史を持つアメリカ軍のシェルターハーフテント(軍幕)を解体し、新しく作り直した、EP1 を象徴するショーツです。
プロダクト名の「8405」は、アメリカ軍の物資管理コード(連邦供給分類)に由来します。ベースとなった軍幕のコード 8340(テント類) から、現代の衣服を指す 8405(メンズアウターウェア) へ。名前そのものが、素材の用途と役割の生まれ変わりを意味しています。
現代の服の原点である「軍服」の思想に敬意を払い、役目を終えて捨てられるはずだった軍幕を調達しました。しかし、この服作りは仕立てる前の段階から始まります。倉庫から1枚ずつ生地を選別し、ヴィンテージ特有の強烈な匂いや汚れを落とすため、何回も丁寧に洗いを繰り返す前処理を行っています。
半世紀を経て歪んだ生地は一筋縄ではいきませんが、PAS/AGEではその個体差を「個性」と捉え、デザイン、型紙製作、裁断、縫製に至るすべての工程を、1人で行っています。
このショーツはブランドの原点となる最初のデザインであり、自分のこだわりを最も高い次元で形にするため、正面と背面で異なる動きを持つ形に辿り着きました。 パターンメイキングには最先端の3Dシミュレーション(3D CLO)を導入し、ミリ単位の検証を納得がいくまで繰り返して複雑な立体シルエットを完成させています。
縫製仕様は、当時(1960年代)の軍幕と同じ「折り伏せ縫い」を採用。分厚い生地に対してこの仕様を通すことは、ミシンの針が折れるなど厳しい作業ですが、現代の大量生産にはない圧倒的な頑丈さと綺麗な肌当たりを1人の手で実現しました。 さらに、ファスナーには世界最高峰のイタリア・RACCAGNI(ラッカーニ)社製を採用。屈強な生地へのリスペクトと、現代のラグジュアリーとの融合を表現しています。
前身頃はすっきりと直線的に、後身頃はサルエルパンツ特有の深い股上とゆとりを持たせることで、じっと立っている時の「無骨な立ち姿」と、歩いた時の「立体的なシワの広がり」という二面性が共存します。
個体ごとに異なる色合いや、かつて刻まれた傷の痕跡。それらすべてを、素材が辿ってきた唯一無二の歴史として捉えています。衣服を単に消費するのではなく、1人の手によって仕立てられたプロダクトを引き継ぎ、皆様のこれからの都市生活の中でさらに深め(エイジングさせ)ていただきたいという願いを込めた、最初の衣服です。

INDIVIDUAL DOSSIER (個体識別)

当プロダクトは世界に5着しか存在せず、その5着はすべて異なる表情を持っています。ここでは、皆様の手元に届くシリアルナンバーごとの具体的な特徴を記録しています。
[ 01 / 05 ]
特徴: 5着の中で最もオリーブの色味が深く残っており、目の詰まった硬質な質感が際立つ個体です。
痕跡: フロント右側の腰部分に、当時のUSステンシル、後ろの左ポケットに識別用ステンシル。左後ろの裾裏部分にpas/ageのシリアルナンバー入り。
[ 02 / 05 ]
特徴: 生地の経年変化による色褪せが最も進んでおり、ヴィンテージ特有の乾いた風合いが美しい個体です。
痕跡: 左後ろポケットのフラップに、当時のUSステンシル。右後ろの裾裏部分にpas/ageのシリアルナンバー入り。
[ 03 / 05 ]
特徴: 前身頃と後身頃で生地の色合いの変化に差があり、今作のテーマである「前後での異なる動きや表情」を視覚的に最も体現している個体です。
痕跡: 背面のサルエル部分の生地に、当時の修繕痕がある。左後ろの裾裏部分にpas/ageのシリアルナンバー入り。
[ 04 / 05 ]
特徴: 全体の色ムラが少なく、5着の中で最もクリーンな印象を持つ、現代的なデザインに馴染みやすい個体です。
痕跡: 右前見頃に当時のステッチをそのまま残してる。サルエル部分の裏にpas/ageのシリアルナンバー入り。
[ 05 / 05 ]
特徴: コットンならではの肉厚さが程よくほぐれ、最も柔らかく育った質感を持つ個体です。
痕跡: 裾の内側部分に、当時使用されていた際の摩擦による薄い黒ずみの痕跡が残っています。何度も洗いをかけても落ちなかった、歴史の跡です。左後ろの裾裏部分にpas/ageのシリアルナンバー入り。